工藤選手、ありがとう。

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昨夜遅く、スマホを見ていた妻が大きな声をあげました。

「工藤さん、亡くなったって」

瞬間、ぼくは「えっ」と絶句し、こみ上げるものを抑えられず嗚咽しました。

プロサッカー選手・工藤壮人。

32歳は、あまりに若すぎる。

あの笑顔が頭から離れません。

あれは彼がまだサンフレッチェ広島で活躍していた頃だから、いまから4年くらい前になります。当時ぼくが通っていたスポーツジムで、何度も工藤選手と顔をあわせました。

真剣な眼差しで黙々とトレーニングに励む姿には、近寄りがたいオーラと美しさがありました。

それでも、「工藤さん、こんにちは」と挨拶すると、パッとあの人懐っこいニカッとした笑顔を見せ、「こんにちは!」と返してくれました。

「きのう試合見に行きましたよ」

「そうですか、ありがとうございます」

「また今度行きますね」

「がんばります!」

いつも、嫌な顔ひとつせず、実に爽やかに話してくれる。

「インスタも見ていますよ」

「ありがとうございます。妻が手伝ってくれるんで、できるんです」

ほんとうに奥さんを立てるひとだった。

いまも残るインスタアカウントには、幸せそうな家族の写真が溢れていて、見るのがつらい。

まだ幼いお嬢ちゃんのことを思うと・・・

スタンドから見るピッチ上の彼は、さらに一段と格好良く、アグレッシブに献身的に走り続けていた。

子どもたちに夢を与えるプロのサッカー選手として、そして良き夫、良き父として、グランドの内外で立派に生きた工藤選手を、ぼくは心から尊敬します。

短い地上の歩みだったけど、ほんとうにお疲れさまでした。

そして、ありがとうございました。

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