「巻き肩」とは、肩が前方に巻き込まれた状態のことです。
巻き肩になると、頭部も前方に突っ込み、結果として猫背が進んで、首こり、肩こり、背部痛などの原因となります。
さらには、手のしびれや冷えにもつながります。
巻き肩の姿勢
巻き肩姿勢の特徴は、
- 頭が前方に突っ込む
- 肩甲骨が外側・前方に位置
- 腕が内旋(内ひねり)
- 手がズボンの前ポケットの位置
などです。(下図)
何気なく立ったときに、手が前ポケットの位置にきて、手の甲が前を向いています。
「あ、自分もそうだ」という方、多いのではないでしょうか。
巻き肩の原因「小胸筋」
巻き肩になるおもな原因は、胸の筋肉が短縮し硬くなっていることです。
具体的には、「小胸筋」という筋肉です。
小胸筋は、胸をおおう大胸筋の内側にあり、肩甲骨の一部である「烏口突起」と「第3・4・5肋骨」をつないで、肩甲骨の動きを助けています。
小胸筋が短縮して硬くなってしまうと、ちょうど肩甲骨を一本背負いしたように前方に引き出してしまいます。
すると、肩甲骨は本来の位置から離れ、外に開いて、なおかつ前方に出てきます。
そのため、巻き肩が助長されるのです。
なぜ「頭突っ込み姿勢」になるのか?
巻き肩になると、なぜ「頭突っ込み姿勢」になるのでしょうか?
これには「呼吸」がかかわっています。
ひとつ実験をしてみましょう。
- 両腕を内にひねった状態で左右の手をクロスして組み合わせ(巻き肩の状態)、そのまま頭を後ろに引いて深呼吸してみます
- 次に、手はそのままで、「頭突っ込み姿勢」にして深呼吸してみます
どうでしょうか。
1.では首や胸周りの筋肉が緊張して呼吸しにくく、2.ではラクに呼吸できたのではないでしょうか。
3.両手を離して肩甲骨を後ろに引いてから力を抜き、頭を後ろに引いて深呼吸してみてください。
今度はラクに呼吸できるはずです。
つまり、ラクな呼吸を維持するために、「巻き肩」と「頭突っ込み姿勢」はセットになる、ということです。
巻き肩を軽く考えない
「頭突っ込み姿勢」になれば、必然的に猫背が進みます。
すると、冒頭でも述べたように、首こり、肩こり、背部痛にもつながり、頭痛も起きやすくなります。
さらには、ストレートネックから頚椎症と進んで、めまいや耳鳴り、腕のしびれといったさまざまな症状につながりかねません。
また、さきほどの実験でもわかるように、巻き肩は「呼吸」とも関連します。
巻き肩になれば、呼吸は浅くなり、自律神経にも悪影響が及びます。
これらのことから、巻き肩を「姿勢のクセだから仕方ない」と軽く考えないで、早いうちに改善していくことが大切です。
もりたカイロプラクティックで行うこと
もりたカイロプラクティックでは、巻き肩を改善するために、以下のことを行っていきます。
- 原因となっている筋肉のこりを手技によりほぐしていく
- 猫背のまま硬くなっている関節の柔軟性を取り戻す
- ご自分で行っていただく体操や、ふだんの身体の使い方などを指導する
1.筋肉のこりをほぐしていく
もりたカイロプラクティックの施術では、「トリガーポイント」と呼ばれる筋肉のこりにしっかりアプローチします。
「トリガーポイントセラピー」という独自の手技を用いて、先にあげた小胸筋をはじめ、おもに肩甲骨の動きにかかわる筋肉をていねいにほぐします。
これにより、肩甲骨の動きを制限していた筋肉の緊張がとれ、肩甲骨を正しい位置に戻すことができます。
※「トリガーポイントセラピー」もあわせてご覧ください。
2.関節の柔軟性を取り戻す
「頭突っ込み姿勢」により猫背が定着した背骨は、関節の動きが悪くなっています。
もりたカイロプラクティックでは、筋肉のこわばりを取り除くだけでなく、背骨の関節の硬さも取り除きます。
カイロプラクティック特有のボキボキ音が出る手技を用いますが、音が苦手な方などの場合は、別の方法で行います。
3.体操や身体の使い方を指導する
姿勢を改善するためには、施術を受けるだけでは不十分です。
日頃の実践の積み重ねで、徐々に改善されるものだからです。
とはいえ、とても続きそうもない難しい方法では、かえって意味がありません。
もりたカイロプラクティックでは、かんたんにできて効果が高い方法をアドバイスしています。
ほんの少しの意識、工夫の積み重ねが、改善につながります。
まとめ
姿勢が良く、立ち姿の美しいひとは、かならず肩が開いてデコルテが広くとれています。
「巻き肩」が改善されると、健康に良いだけでなく、美しい姿勢を取り戻すことができます。
精神的にも元気になり、オシャレや運動をより楽しめるようになります。
ぜひ改善に取り組んで、より快適で楽しい生活を手に入れましょう!