昨今、「骨盤矯正」「骨盤調整」という言葉が安売りされているような気がしてあまり好きではないのですが、施術上、重要なポイントであることには変わりありません。
もりたカイロプラクティックではどのように考えているかを、ご説明します。
骨盤にある二つの重要な関節
まず、骨盤にある二つの重要な関節を確認しましょう。
- 股関節
- 仙腸関節
の二つがそれです。
1.股関節について
股関節を知らないひとはいないと思いますが、“正確な位置”を知っているひとは意外に少ないものです。
さらに言うと、“骨盤の関節“という意識も薄いのではないでしょうか。
画像で、確認しましょう↓
このように骨盤側のくぼみ(「臼蓋・きゅうがい」)に大腿骨頭がはまっているところが股関節です。
イメージよりもやや横向きについています。
見てのとおり、股関節は骨盤にある非常に大きな関節です。
上半身と下半身の連結部分といってもよく、それだけ全身の動きにかかわってきます。
つまり骨盤の歪みといった場合、ひとつの主要な要素は、この「股関節の歪み」なのです。
たとえば、仰向けに寝たときにつま先の開き具合が左右で大きく違うひとがあります。
このおもな原因は、股関節です。
左右の股関節の動きが違うわけです。
なぜそうなるかというと、スポーツなどによる体の使い方のくせであったり、軟骨がすり減るような股関節の変形のせいであったりとさまざまです。
この場合、骨盤そのものを扱うというよりも、骨盤にある「股関節」にアプローチすることがたいせつになります。
- 横座りやペチャンコ座りをよくする
- スカートが回る
- 左右どちらかの靴下がよくずれる
- 立ったときにお腹のくびれ具合が左右で違う
- 歩き方がおかしいとよく言われる
これらに該当する方は、たいてい「股関節」に問題があります。
2.仙腸関節
「仙腸関節」もまた、臨床上、重要な箇所です。
ここも股関節と同様に、上半身と下半身のつなぎ目といえます。
しかし、仙腸関節は股関節以上に意識しにくい関節です。
なぜかというと、ほとんど動かない関節だから。
正常でもわずか2~3ミリ程度の動きしかなく、体を動かすというよりも、衝撃を受けとめる緩衝器的な役割を果たします。
前から見た図↓
後ろから見た図↓
このように、背骨の最下部に位置する「仙骨」と骨盤を構成する「腸骨」がつながるところなので「仙腸関節」といいます。
実際の関節面は、じかに触れることができない矢印の奥にあります。
仙腸関節で問題になるのは、左右のねじれです。
たとえば、右の腸骨が前方変位したり、反対に後方変位したりします。
このような仙腸関節のねじれを調整するのは、カイロプラクティックが元来得意とするところです。
そして、「仙腸関節の歪み=仙骨の歪み」でもあります。
仙骨が前に傾きすぎたり、後ろに傾きすぎたり、右に傾いたり、左に傾いたり。
前に傾くと骨盤前傾となり、反り腰が強くなります。
反対に後ろに傾くと骨盤後傾となり、腰が丸まります。
いずれも腰痛の原因となります。
また、左右の傾きはお腹のくびれの左右差につながり、脊柱側弯の原因にもなります。
このような「仙腸関節の歪み」は、たいていの場合、先ほどの「股関節の歪み」とセットです。
ですから、もりたカイロプラクティックでは、骨盤調整といった場合には、特に「股関節」と「仙腸関節」に重きをおいて施術していきます。
どのような施術を行うか
もりたカイロプラクティックの施術は、基本的につぎの三段階です。
- 筋肉の緊張を緩める(トリガーポイントセラピー)
- 関節を緩める
- 予防の体操指導
1.筋肉の緊張を緩める(トリガーポイントセラピー)
歪みは、長年にわたる体の使い方の癖からきます。
したがって、筋肉・筋膜といった軟部組織レベルにおいて、偏った硬さ(緊張)がかならずみられます。
まずは手技を用いてそれら筋・筋膜の緊張を緩めます。
2.関節を緩める
カイロプラクテイツク特有の関節に対する手技を用います。
ボキボキ音が苦手なひとや、緊張しやすいひとには、別の方法で代替します。
※ご高齢の方や、股関節の変形が強い方には、音が出る手技は行っていません。
3.予防の体操指導
施術で体を調整しても、日頃の体の使い方を変えていかなければ元の木阿弥です。
もりたカイロプラクティックでは、かんたんで効果が高く、継続しやすい体操法を、その人の運動レベルに応じてご指導しています。
地道に取り組めば、徐々に体が変わっていくことを実感できるはずです。
施術動画
施術の雰囲気を感じていただけると思います。どうぞご覧ください。
はじめにも述べたように、「骨盤矯正」「骨盤調整」といった言葉は安易に使われ過ぎていると、私は感じています。
もりたカイロプラクティックの施術は、どのような症状のひとでも「全身施術」が基本です。
ですから、骨盤の調整ははじめから入っているのです。
「骨盤の歪み」や「からだの歪み」が気になる方は、お気軽にご相談ください。
以下のページも参考にしてください。