
Kさんが帰り際に、「新しい靴を買ったんだけど、どうかしら?」とおっしゃいました。
私が日頃から靴の大切さを語っているため、「見てもらいたい」とのことです。
Kさんは、靴に対する意識の高い方です。
見るとその靴はウォーキングシューズタイプで、きちんとした作りのものでした。
ただ、紐の締め方が少しゆるいように見えたので、私が結び直してみました。
踵を合わせると見えてくる
紐靴の履き方では、つぎの3点が基本になります。
- 踵を合わせる
- 紐をつま先側からしっかり締める
- 最後の結び目はきつく締めすぎない
私がみなさんの靴紐を結ぶと、「1.踵を合わせる」の段階で問題が発見されることがしばしばです。
靴に足を入れたあと踵をトンとして、靴のヒール部と踵をピタッと合わせます。
その状態でつま先側を押さえてみると、靴の先がペコッと凹むくらい大きく余っているのです。
Kさんの靴もそうでした。
聞けば、「23.5cmがふつうだったんだけど、中指が当たって痛いので24.5cmにしたの」とおっしゃいます。
私は答えました。
「それはサイズの問題じゃなくて、履き方の問題ですよ」

間違った履き方
指が当たってしまう原因は、「間違った履き方」にあります。
「間違った履き方」とは、先ほどの基本の逆です。
- 踵を合わせていない
- つま先側の紐をしっかり締めていない
- 結び目をギュッと締める
踵を合わせずに、つま先側の紐をゆるく締めていると、どうなるでしょうか?
靴のなかで足が前方にすべってしまいます。
当然、指先が詰まって当たります。
(中敷きの踵側にホコリが溜まっているひとは、そうなっている可能性が高いです)

指が詰まるのを回避するために、実際より大きなサイズの靴を選んでしまう。
間違った履き方 → 指がつまる → 大き過ぎる靴を選ぶ
多くのひとがこのパターンで大き過ぎる靴を選んでおり、それを「ちょうどいい」と思い込んでいます。
1cmでもかなりの負担
実寸より大きい靴は、知らぬ間に足に負担をかけています。
たとえば、実寸が23.5cmのひとが24.5cmの靴を履くとしましょう。
歩行時につま先が地面から離れる際、ジャストサイズの23.5cmの靴なら足と靴が同時にパッと離れます。
ところが、1cm余分に大きい靴の場合、足は地面から離れても靴の先は残ったままです。
足と靴が一体化していません。
しかも、靴の中で足はすべりやすくなっています。
その状態で百歩、千歩と歩き続けると、足に疲労がたまります。
この疲労は気づきにくいです。
ジャストサイズの靴を正しく履いてはじめて、足が軽くなるのを実感し、「ああ、いままで疲れる靴を履いていたんだな」と気づくものです。(かつての私がそうでした)

Kさんは1cm大きい靴を選んで、「自分の場合は、そうしないと指が当たる」と思い込んでおられました。
しかし、私が結んでみると、つま先側がペコリと凹むくらい余りました。
あきらかに大き過ぎます。
「店員さんにも相談した」そうなのですが・・・
靴よりも靴の履き方を見直そう
「甲高だから」「幅広だから」「指が長いから」大きめの靴を選ぶという声をよく聞きますが、まずは靴の履き方を見直してほしいと思います。
サイズは、靴屋さんで測ってもらってください。
その上で、大きくても「実寸プラス0.5cm」の範囲内で選びましょう。(メーカーにより微妙に違うこともあるので)
プラス1cmは、大き過ぎます。
履き方の基本を守って「正しい履き方」をすれば、ジャストサイズで痛みなく履けますし、快適に歩けるはずです。
まとめ
- 安易に大きめの靴を選ばないこと
- 大きくても実寸プラス0.5cmで選ぶ
- 指先が当たるのは靴の問題ではなく履き方の問題のことが多い
- 大き過ぎる靴は知らぬ間に足を疲労させる
- 正しい履き方の基本を守れば快適に履ける
靴選びに悩む方は多いですね。
履き方を見直すだけでも、解決の糸口になるかもしれません。
ぜひ参考にしてみてください。
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