脱力ウォークのすすめ(36)靴がきつい原因はサイズより履き方

Kさんが帰り際に、「新しい靴を買ったんだけど、どうかしら?」とおっしゃいました。

私が日頃から靴の大切さを語っているため、「見てもらいたい」とのことです。

Kさんは、靴に対する意識の高い方です。

見るとその靴はウォーキングシューズタイプで、きちんとした作りのものでした。

ただ、紐の締め方が少しゆるいように見えたので、私が結び直してみました。

踵を合わせると見えてくる

紐靴の履き方では、つぎの3点が基本になります。

私がみなさんの靴紐を結ぶと、「1.踵を合わせる」の段階で問題が発見されることがしばしばです。

靴に足を入れたあと踵をトンとして、靴のヒール部と踵をピタッと合わせます。

その状態でつま先側を押さえてみると、靴の先がペコッと凹むくらい大きく余っているのです。

Kさんの靴もそうでした。

聞けば、「23.5cmがふつうだったんだけど、中指が当たって痛いので24.5cmにしたの」とおっしゃいます。

私は答えました。

踵を合わせるとつま先が余る
踵を合わせて履くとつま先側が余っている

間違った履き方

指が当たってしまう原因は、「間違った履き方」にあります。

「間違った履き方」とは、先ほどの基本の逆です。

踵を合わせずに、つま先側の紐をゆるく締めていると、どうなるでしょうか?

靴のなかで足が前方にすべってしまいます。

当然、指先が詰まって当たります。

中敷きの踵側にホコリが溜まっているひとは、そうなっている可能性が高いです)

足が靴の中で前方にすべる
足が靴の中で前方にすべる

指が詰まるのを回避するために、実際より大きなサイズの靴を選んでしまう。

間違った履き方 → 指がつまる → 大き過ぎる靴を選ぶ

多くのひとがこのパターンで大き過ぎる靴を選んでおり、それを「ちょうどいい」と思い込んでいます。

1cmでもかなりの負担

実寸より大きい靴は、知らぬ間に足に負担をかけています。

たとえば、実寸が23.5cmのひとが24.5cmの靴を履くとしましょう。

歩行時につま先が地面から離れる際、ジャストサイズの23.5cmの靴なら足と靴が同時にパッと離れます。

ところが、1cm余分に大きい靴の場合、足は地面から離れても靴の先は残ったままです。

足と靴が一体化していません。

しかも、靴の中で足はすべりやすくなっています。

その状態で百歩、千歩と歩き続けると、足に疲労がたまります。

この疲労は気づきにくいです。

ジャストサイズの靴を正しく履いてはじめて、足が軽くなるのを実感し、「ああ、いままで疲れる靴を履いていたんだな」と気づくものです。(かつての私がそうでした)

大き過ぎる靴はつま先が離れない
大き過ぎる靴は足と靴が一体化していない

Kさんは1cm大きい靴を選んで、「自分の場合は、そうしないと指が当たる」と思い込んでおられました。

しかし、私が結んでみると、つま先側がペコリと凹むくらい余りました。

あきらかに大き過ぎます。

「店員さんにも相談した」そうなのですが・・・

靴よりも靴の履き方を見直そう

「甲高だから」「幅広だから」「指が長いから」大きめの靴を選ぶという声をよく聞きますが、まずは靴の履き方を見直してほしいと思います。

サイズは、靴屋さんで測ってもらってください。

その上で、大きくても「実寸プラス0.5cm」の範囲内で選びましょう。(メーカーにより微妙に違うこともあるので)

プラス1cmは、大き過ぎます。

履き方の基本を守って「正しい履き方」をすれば、ジャストサイズで痛みなく履けますし、快適に歩けるはずです。

まとめ

  • 安易に大きめの靴を選ばないこと
  • 大きくても実寸プラス0.5cmで選ぶ
  • 指先が当たるのは靴の問題ではなく履き方の問題のことが多い
  • 大き過ぎる靴は知らぬ間に足を疲労させる
  • 正しい履き方の基本を守れば快適に履ける

靴選びに悩む方は多いですね。

履き方を見直すだけでも、解決の糸口になるかもしれません。

ぜひ参考にしてみてください。

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