当院でウォーキングを重視する理由は、次の2つでした。
- 「歩き」にその人のカラダのクセが表れるから
- 「歩き」を変えることでクセを除き、カラダを変えていくことができるから
前回の記事「ウォーキングを考える―歩きにはクセが表れる」では、1.について書きました。
今回は、「2.歩きを変えることでクセを除き、カラダを変えていく」ことについてです。
歩かない日はない
ところで、日々の生活の中で、まったく歩かない日はありますか?
病気で寝込むとか入院するといったよほどの事情でもないかぎり、「歩く」という動作がゼロの日はないでしょう。
つい先日も、自虐的にこう言った方がおられました。
「ぼくはデスクワークなんで、こないだも2千歩しか歩いてませんでした」
そんな方(失礼!)でも、2千歩は歩いているわけです。
何か運動を始めようとなると、急にハードルが上がってできないものです。
はじめの数日や数週間は続いても、熱が冷めるとパタリとやめてしまいます。
(書いている私がまさにそれ、、、)
しかし、「歩く」動作をエクササイズととらえるなら、毎日どんなに少なくても数百~数千歩のエクササイズをやっているんです。
これを利用しない手はありません。
その数千歩をただ漫然と歩くのか、カラダに意識を向けて歩くのかの違いです。
これを数日間、数週間、数カ月、数年、数十年と続けていくとどうなるか、ということです。
ちょっとずつ意識して歩くこと
カラダに意識を向けるポイントは、前回のリストが参考になるでしょう。
もう一度書きますと、
- 全体の姿勢はどうかな?
- 体が前後左右に傾いていないかな?
- 重心のバランスはどうかな?
- 左右の足のリズムはどうかな?
- 歩幅はどうかな?
- おへその向きはどうかな?
- つま先の向きはどうかな?
- 足音の大きさはどうかな?
- 着地や離地の足使いはどうかな?
- 膝の伸び具合はどうかな?
- 腕の振り幅はどうかな?
- 腕の振りの左右差はどうかな?
- 目線はどうかな?
- 力の抜けぐあい(入りぐあい)はどうかな?
- 上半身と下半身の連動性はどうかな?
などです。
全部意識するのは難しいので、どれか一つか二つだけでも頭に入れて歩いてみてください。
それも、ずっとじゃなくていいんです。
あそこの曲がり角まで意識しよう、という感じでオッケーです。
少し難しくいうと、「歩く」動作にはさまざまな「神経的刺激」が入っています。
たとえば、ふだん足音が大きい人が小さい音で歩こうとするだけで、けっこう大変なことがわかるでしょう。
このように、ふだんと違うカラダの使い方をすることがカラダを変えていくきっかけとなるんですね。
「歩き」を変えることで、カラダを変える。
これがもっとも継続しやすく、効果的なエクササイズです。
ちょっと歩いてみたくなりましたか?
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