
「脱力ウォークが難しくてよくわからない」というお声をときどきいただきます。マニアックで細かなことをいろいろ言うので、無理もないと思います。そこで、難しく考えずにここだけ意識して欲しいという点をお伝えします。それは「つま先で蹴らない」ことです。
「脱力ウォーク、よくわからんのよね~」
という声を何度かいただきました。
そこで私なりに反省しながら、“何がわかりにくいのか?”を考えてみました。
何が難しく感じるか
- 力の抜き方がわからない
- 力を抜くタイミングが難しい
- 膝の出し方や体重のかけ方、腕の振り方などいろいろ考えるとわけがわからなくなる
- そもそもなぜ脱力すべきなのかわからない etc.
ほかにもあるかもしれませんが、当院で直接アドバイスするときのみなさんの反応をみると、3.の理由がいちばん多いように思われます。
そこで今回は、難しく考えずに、とりあえずここだけ意識してみましょうという点をお伝えします。
それは、「つま先で蹴らない」ことです。
そもそも、『蹴らない歩き 脱力ウォーク』と言っているくらいで、「蹴らない」ことが核になります。
この点について、おさらいがてらご説明します。
「つま先で蹴る」がすすめられる目的と危険性
ウォーキングの本などを見ると、「正しい歩き方」として「つま先でしっかり蹴って、歩幅を広く」と説明してあります。
たとえば、下図は厚労省のサイト内の「歩く時のポイント」(PDF)というプリントに掲載してある図です。

赤矢印で示した箇所にこうあります。
⑧しっかり大地をキック/かかとから着地し、体重を親指の付け根へ移動させ、つま先で大地をしっかりキック!これが大事です。
当ブログで「脱力ウォーク」について読んでくださっている方は、これが私のすすめる歩き方とは真逆であることが、すぐおわかりになるでしょう。
私は、
つま先で蹴らない(キックしない)、これが大事です
と言い続けているわけですから。
ついでに言うと私は、「かかとから着地」も忘れましょう、と言ってきました。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
「つま先で蹴る」ことが推奨される目的は、運動強度を上げるためと思われます。
運動強度を上げて“脚力強化”を目指すなら「つま先で蹴る」のも間違いではありませんが、そのぶん故障のリスクも大きいですよと、私は言いたいです。
「脱力ウォーク」は故障しない歩きを目指しています。
健康のためにとウォーキングを始めたのに、膝や足首などを傷めるひとを何度も見てきました。
その方々に歩き方を指導するなかで、たどり着いた答えが「脱力ウォーク」であり、その核となるのが「つま先で蹴らない」ことなのです。

発想の転換が必要です。
とりあえず、「つま先で蹴らない」ことだけ意識してみてください。
できるだけやわらかく、足首の力を抜いて・・・
そのうち、なんとなく「あ、こんな感じかな」と腑に落ちることが出てくると思います。
焦らずに、ときどきでいいので、思い出して取り組んでみてください。
まとめ
- とりあえず「つま先で蹴らない」ことだけ意識しよう
- 「つま先で蹴る」のは脚力強化にはなるが故障のリスクも大きい
- 脱力ウォークは故障しない歩きを目指す
- 焦らずボチボチ取り組んで

脱力ウォークを実践してくださっている方で、わかりにくい点があれば、ぜひコメントで教えてください!
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