
よかれと思って歩き始めたのに、痛みが出てしまっては本末転倒です。「一日一万歩」とか「一日1時間」といった目安よりも、「歩き方」を意識するほうが大切です。そしてその「歩き方」にも注意が必要です。
そもそも私が「脱力ウォーク」を提唱する理由は、よかれと思って始めたはずのウォーキングでかえって身体を壊すひとが多いからです。
そこにあるのは、「一日一万歩を目指しましょう」とか「一日1時間は歩きましょう」といった、「歩数」や「時間」に基準を置いた捉え方です。
別に間違いではありませんが、それよりもっと大切なこと、すなわち「歩き方」が見落とされがちです。
お医者さんも「運動しなきゃいけませんよ。ウォーキングをしなさい」とは言っても、「歩き方」の指導まではしてくれないのがふつうですからね。
そしてつぎには、ちまたで「正しい」とされる歩き方が故障の原因になりかねないという問題があります。
その代表が、
- つま先でしっかり蹴って歩く
という歩き方です。
もちろん、そのように歩くすべてのひとが故障するわけではありません。
スポーツマンのように筋力のあるひとや、足首や膝関節などに歪みがなく、きれいな足運びで歩けるひとは、故障するリスクは少ないと思います。
しかし、日頃運動不足だったり、関節に歪みがあったり、すでにある程度痛みを抱えていたりするひとの場合は別です。
そういうひとは、つま先でグイグイと地面を蹴って歩くことで余計に痛みを悪化させてしまう可能性があります。
なぜそう言えるかというと、つま先で蹴るのをやめて、「脱力ウォーク」に変えてもらうことで痛みが出にくくなるケースをよくみるからです。
力みは故障の母です。
歪んだネジは力いっぱい回しても壊れるだけです。
押してダメなら引いてみな。
力んでダメなら脱力してみな、です。
少しでも心当たりがあるひとは、「脱力ウォーク」をためしてみていただきたいと思います。
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