SNSで常日頃ご教示いただいているシューフィッターの大木金次さんが、たいへん興味深い記事を書いておられます。↓
あるとき私が、「靴紐を締めるのを面倒臭がる人が多いのはなぜでしょう?」とコメントしたところから考察されたということです。大ベテランのシューフィッターさんなのに、いつまでも探求心を失われない姿勢に敬服します。
面倒臭く感じる理由
大木さんは記事のなかで、靴紐結びが面倒に感じられる理由として、次のような点を指摘しておられます。
- 時間がかかる
- 手が不器用になった
- 日本の下駄や草履は手を使わない
- 屈んだり立ったりするには脚力が必要
- 玄関にイスがない
- 靴を脱ぐ日本の文化 など
どれも、たしかにそうだなーと思わされます。
特に日本の文化は、もともと「靴文化」ではなく「下駄文化」であり、しかも室内は素足ですから、脱ぎ履きのたびにいちいち結んでいられないということは大きいでしょう。
とはいえ、外出時に靴を履くことが一般的になった現代の日本では、やはり靴紐をしっかり締めて履いてほしいのです。
面倒臭さを克服するには?
面倒臭さを克服するには2つのポイントがあると、私は考えます。
- 快適さを知る
- 大切さを知る
これは何も靴紐にかぎったことではありませんね。
例えば、「車のシートベルト」。
若い人は知らないかもしれませんが、私が子どもの頃は、シートベルトを締めている人のほうが少なかったと思います。せいぜい運転者が締めるくらいだったのではないでしょうか。
それがいつからか取り締まりが厳しくなり、最初は面倒臭い気がしたものの、いまではみんな当たり前のようにシートベルトを締めています。
これは、
- 締めたほうが安定感がある(快適)
- 危険予防のためには不可欠(大切)
と、みんなが理解したからでしょう。
あるいは、日本人の大好きな「お風呂」はどうでしょうか。
毎日お湯をはり、からだをすみずみまで洗って、ゆっくり浸かる。そういう習慣のない外国の人には、「面倒臭い」ものではないかと思います。
しかし、日本人は、
- お風呂に入ると気持ちいい(快適)
- お風呂は健康に良い(大切)
と理解しているから、面倒臭がらずに喜んで入ります。
私の体験
靴紐においても、これら「快適」「大切」の2点を理解すれば、多くの人が率先して結ぶのではないでしょうか。
かく言う私も、かつては“結びっぱなし”の一人でした。
それが、福山市の「シューズラボCue」さんと出会って、靴の大切さを教えられ、変わりました。
以来、ちょっとでもいい加減に履くと気持ち悪く感じます。そして、疲れます。
慣れてくれば結ぶのも早くなりますし、時間がかかるといってもほんの1分程度でしょう。その手間が「足の快適さ」と「疲労の軽減」につながるのですから、たいへんなハイリターンであることは間違いありません。
もりたカイロプラクティックでも、患者さんに紐靴を履いて来てもらい、私が結んで差し上げます。
立った瞬間、「あ、全然違う!」と喜ばれます。
まずは、それを実感していただきたい。
ついでに言うと、靴は紐をきちんと締めて履くほうが傷みにくいですよ。
みなさんも、ぜひ、靴紐を締めて履いてくださいね。
コメント