動かしていいのか、悪いのか

「動かさんと、動けんようになっちゃいけん思うて・・・」

特に年配の患者さんから、よく聞く言葉です。

例えば、膝関節や股関節が痛い方。

痛みはあるけれど、じっとしていては動けなくなると考えて、ウォーキングしたり、ジムで動いたりされます。

けれど、なかなか改善しない。

つい動き過ぎてしまう心理の裏には、

「このままだと動けなくなる」

という不安があります。

ここがカギです。

実際、「動かしていいのか、動かさないほうがいいのか」の判断は、けっこう難しい。

ケースバイケースで、みな違いますから。

ただ、最近のスポーツ医学では、

「安静にしすぎず、動かしながら直す。」

という考え方を基本とするように変わってきています。

だからこそ、その“動かし加減”が大事です。

上のような患者さんに、私がよくするアドバイスは、

「負荷をかけずに動かしましょう」

というもの。

膝関節が痛いのであれば、下が空いている高くて頑丈な所に腰かけて足をぶらぶらする。

股関節であれば、階段などの段差に立って痛む側をぶらぶらする、などです。

膝関節と股関節のぶらぶら運動

こうすると、体重の負荷をかけることなく、関節を動かすことができます。

ポイントは、

  • 痛みの出ない範囲の「小さな動き」で行うことと、
  • 「物足りない」くらいでやめること

そして、「直さないといけない」と焦るのをやめ、

「いまはこういう時期、じっくり回復させましょう」

と、できるだけ気長に前向きに考えること。

なかなか難しいですけどね。

目を吊り上げて頑張っても、からだは良い反応をしてくれません。

心当たりのある方に、少しでも参考になれば嬉しいです。

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