「目があいた!」お話

「あ~、目があいた!」

「うわ、はっきり見える!」

施術直後に、患者さんがよく発することばです。
特に目をマッサージするような、疲れ目対策の施術をするわけではありません。
それでも、上記のほかにも、「視界がひらける」「部屋が明るく見える」といった“見え方”に関する反応が多くあります。

これは、どういうことなんでしょうか?

からだには「自律神経」があるのは、よく知られていますね。

神経自体が「自律(自ら律する)」しているので、私たち自身の意志でコントロールすることはできません。(反対に「運動神経」は私たちの意志でコントロールできます)

自律神経は大きく分けて、からだを緊張モードにする「交感神経」と、リラックスモードにする「副交感神経」から成り、双方がバランスをとることで、からだのあらゆる機能を保ってくれています。

目の見え方に関していうと、カメラのレンズに相当する「水晶体」や、絞りに相当する「瞳孔」の調節を自律神経が行っています。

  1. 交感神経が優位になると・・・水晶体は薄くなる(遠くにピントが合う)、瞳孔は開く(散瞳)
  2. 副交感神経が優位になると・・・水晶体は厚くなる(近くにピントが合う)、瞳孔は縮む(縮瞳)

ところで、「VDT症候群」をご存知でしょうか?

「VDT」は「Visual Display Terminal(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)」の略です。
パソコンなどの画面を長時間見続けることで、目や心身に異常をきたした状態が「VDT症候群」です。

現代は多くの人が、パソコンやスマホを公私にわたって使用するため、多かれ少なかれ「VDT症候群」になっている人がほとんどではないでしょうか。

かく言う私も、まさに今、パソコンを打ちながらピントが合わなくなってきました(笑)

さて、ここでちょっとした疑問が生じます。

例えば、パソコン作業を集中して行っているとき、自律神経は交感神経と副交感神経のどちらが優位になっているのか、ということです。

パソコンやスマホを見るときは、当然、近くにピントを合わせるので、水晶体の働きに関しては副交感神経が優位になっています。
ところが、パソコンで文章を書いたり、資料を作成するなどの集中を要する作業では、脳は緊張モードですから交感神経が優位です。

ということは、交感神経と副交感神経のいずれもが活発に働いている状態です。
最近では、このある種の拮抗状態、自律神経のおしくらまんじゅう的な状態が、眼精疲労・脳疲労の原因と言われているようです。

もりたカイロプラクティックの施術は、硬くなった筋肉や関節の緊張をほぐし、全身の血流を良くします。
全身的には、「緊張モード→リラックスモード」の切り替えが起きます。

そして、水晶体のように自律神経のおしくらまんじゅう状態が起きていた箇所では、双方がうまく落ち着いて、自律神経のバランスが良くなるのではないかと想像します。

それによって、ピントや瞳孔の調節が円滑にできるようになるのではないか。
施術後に視界が開けてよく見えるようになるのは、自律神経の拮抗状態が解消されてバランスが整うから、と言えそうです。

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