脱ぐ話

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「脱ぐ」といってもいろいろあるけど、きょうは「靴を脱ぐ」話。

私は、患者さんの「靴」を重視する。

いや、“凝視する”と言ってもいい。

なぜなら、靴にはそのひとのからだの情報が満載だから。

何気なく脱ぎ置かれた靴は、無言のうちに語っている。

ちなみに、もりたカイロの入口に靴箱はなく、玄関マットの上にそのまま置いてもらっている。

これが観察に都合がよい。

まず、どんな靴かを見る。

紐靴か、スリッポンタイプか、はたまたツッカケタイプか。

紐靴なら紐をほどいて脱いでいるかいないか。

紐が結んだままだったり、スリッポンやツッカケタイプのものなら、

  • あまり靴に気を使っていない
  • オシャレ優先
  • 面倒臭がり

といったひとなのかなと察しをつける。(察しをつけるのであって、決めつけるのではない)

紐をほどかずに脱いだ靴は、たいていくたびれて履き口が広がっている。

そうでないとスポッと脱げない。

そのような“くたびれ加減”はすぐ分かる。

置かれた靴の傾き具合が、左右で異なることもある。

それがひと目見て分かるほどなら、どちらかの靴底が大きく擦り減っているわけで、からだのアンバランスをうかがわせる。

たまにきちんと紐をほどいて脱いである靴を見ると、「ほぉ!」と感心する。(滅多に出会わないが)

そういう脱ぎ方をするひとはたいてい、靴をきちんと揃えて丁寧に置いている。

靴に対して“意識高い系”だ。

靴底や中敷きのすり減り方、内部のほこりのたまり具合、シワの入り方、キズ(破れ)のつき方などにより、靴は多くの情報を提供してくれる。(そのひとが話さなくても)

みなさんも、履き慣れた靴をじっくり手に取って観察してみてください。

いま挙げた項目、及びその「左右差」に注目して。

特に膝から下(足裏、足首、すね、ふくらはぎ、膝など)に痛みを抱える方は、そこから始めてみましょう。

そして信頼できるシューフィッターさんに、いろいろ聞いてみましょう。

灯台下暗し、健康足下暗し。

まずは靴を見直すこと、靴に対する意識を変えること、たいせつです。

次回は、「履く話」ですね。

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