身体の「体幹」は動力源、「末端」は微調整&伝力媒体、これを教えてくれるのがチーターの走りです。チーターは末端であるつま先の蹴りを動力源にはしていません。あのスピードは地面を強く蹴って生みだされるわけではないのです。
先日、久々に動物園に行きました。
そこでもっとも時間をかけて観察したのがチーターです。
ちょうど右に左にウロウロと歩き回ってくれていましたので、その歩きをじっくり観察できました。
軽やかな足先の運び
チーターの歩行を見てあらためて確認したのは、足先の使い方です。
軽やかにフワッフワッと、着地と離地をくり返します。
ネコの歩き方をイメージしていただければわかるでしょう。
どこにも力みはなく、人間のようにガシガシと歩いてはいません。
走りも同様
では、走るときはどうなのか?
YouTubeにあったこちらの動画をご覧ください。
ほれぼれするような走りです。
特に注目したいのは、足先の脱力感。
この画像は動画に加工をさせていただいたものですが、
- 前足の離地後の脱力感(赤ライン)
- 後足の離地後の脱力感(黄ライン)
が印象的です。
また、左上の脊椎の弯曲も背骨のやわらかさを生かしたチーター特有の走り方です。
体幹から生みだされる推進力
動画でわかるように、チーターは「柔軟な背骨のしなり」と「体幹部の強大な筋力」を動力源にしています。
けっして、「つま先で蹴る」ことを動力源にはしていません。
つま先のおもな役割は、やはり「微調整&伝力媒体」です。
つまり、方向転換だったり(これも厳密にはつま先だけでは無理ですが)、身体の力を地面に伝える、あるいは地面からの反力を身体に伝える伝力媒体、ということです。
私には、体幹のしなりと筋力で生み出された推進力に足先が勝手についてきているだけ、のようにさえ見えます。
あれだけのスピードで走りながら、足先が絶えずリラックスしている秘訣がそこにある、と言えるのではないでしょうか。
人間も同じように
人間も同じように身体を使いたいものです。
- 推進力の動力源は、あくまでも「体幹」の身のこなしと筋力にある
- つま先は常に脱力しながら、微調整と伝力媒体として働く
もしチーターが人間がやるように「つま先で蹴って」走ることをすれば、たちどころに故障してしまうことでしょう。
反対に人間がチーターのように、つま先を脱力しながら身のこなしを意識するようになれば、余計な痛みは大きく減るのではないかと、私は考えます。
まとめ
- チーターはつま先を動力源として使っていない
- 体幹のしなやかさと筋力が動力源
- 人間もチーターのような身体の使い方をしたい
以前書いたこちらの記事も、お読みいただけると嬉しいです。
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